白井亜矢のプロフィール

幸せ家族からの転落

「何もかもが合わない、もう別居しよう…」

子どもたちが寝静まった深夜に
リビングで夫に言われた言葉です。

あまりに急で
私は返す言葉も思い浮かばす
頭が真っ白になり
泣き崩れてしまいました。

夫が鬱になってしまったんです。

まだ鬱だと診断される前から
寝室に籠ることが増えていたのは
気になっていたのだけれど…

機嫌が悪いのか、何なのか
家族と過ごす時間も減り、
食事が取れないこともありました。

私はなぜ夫がそんな状態なのか
よく分からず、

夫の心配するよりも
パートをしながら
ワンオペで過ごす日々に
イライラしながら生活していました。

なぜ私ばっかり
家事して
育児して
仕事もして…

そんなある日、
「心療内科に連れて行って欲しい」
と、夫からのSOSが。

夫はずっと1人で
辛い気持ちと戦っていた…

その時にやっと気付いたことに
胸が痛くてとても悲しい気持ちになりました。

同じ家に住み
夫婦でいながら
どうして気付けなかったのか…

私は今までの時間を
振り返ってみることにしました。

もともと夫とは生活時間の違いがあり
平日休日関係なく夜遅くに寝て
午前中に起きることはまれでした。

当然家事育児は私が
ワンオペで担っていました。

転勤族でもあり、
両親とも離れ、慣れない土地で
2人の息子を抱えての育児は
とても大変でした。

しかし、夫は仕事が忙しいながらも
私のワンオペを心配していて
休みの日には家族の時間を作ってくれる
優しい性格でした。

だからこそ、
辛さを私に伝えられなかった
かもしれない…

休職となった夫は
日中は寝室で過ごすことが多く
お酒とタバコが増えてしまいました。

酔っ払って記憶を無くしたり
キッチンとトイレを間違えて
用を足してしまったり

今まで無かったようなことが増え
私は夫にどう接すればいいのか、
戸惑ってしまいました。

そして、気を使いすぎてしまい
コミュニケーション不足
陥っていました。

そんな時に事件が起こったのです。
家族での夕食中
夫は酔っ払っていました。

ふらつきながら歩き
キッチンマットに足を取られ
凄い音と共に転びました。

目の前での出来事に
息子達と私はビックリして声をかけました。
「とうちゃん!」

すると、
大いびきをかいて眠りだしていました。
以前から酔っ払うと眠ってしまう夫。

重たい夫をどうすることもできず、
眠っている事を確認し
私たちは就寝してしまいました。

…次の日の夜、
「話がある」
と、冒頭の言葉を言われたのです。

夫は私とは距離を置いて暮らしたい、
食事も用意しなくていい。
と冷静にゆっくり話しました。

私は「そんなの嫌だ!」
号泣しながら言葉を返したのですが
うまく言葉が出ず…
時間だけが過ぎていきました。

息子は不登校

夫が鬱になる前から息子二人は
学校に行けなくなっていました。

次男が小学校に入学し
二つのランドセルが並んで
学校へ登校する姿に
喜びを感じていた矢先の話です。

まさか、
うちの子が不登校なんて…

周りの目を気にしながら
なぜなのか、どうしてなのか
息子たちに問い詰める日々でした。

大好きだったサッカークラブにも
行けなくなり、
家で塞ぎ込みがちになりました。

そんな時に重なる夫の鬱。
なんで、どうして…

子育ても、
夫婦のコミュニケーションも
何もかもがうまくいかない。

どん底の状況に、私のせいかも…
自分を責める気持ちがどっと
押し寄せてきました。

さらなる不幸からの希望

そんな失意の中
さらなる不幸が訪れたのです。

夫が脳出血になりました。

深夜に体がおかしいと訴えた夫。
左半身に力が入らない…

私は急いで救急車を呼び
夫は緊急入院になりました。

コロナの影響で病室には入れず
病院の廊下で朦朧とする主人の手を握り
しばらくのお別れでした。

治療とリハビリの入院は
いつまでかかるのか見通しが立たず
ただただ待つだけの不安な日々でした。

その間、夫がいつも横になっていた
空の布団を見つめながら
静かで寂しい時間を感じていました。

いくらワンオペでも
何日も夫がいないということが
こんなに心細く不安なんだ
ということを思い知らされました。

3ヶ月後に退院した夫は
左の手足に後遺症が
残ってしまいました。

そして、仕事を辞めざるを得ませんでした。

夫と息子二人のフォロー
これからの生活費…

どうしたらいいんだろう…

私はパートに加え
新しく副業に挑戦してみました。

しかし、知識も経験もない私は
まったくうまくいかず
家族を養うなんて夢の夢。

やっぱり私ってダメなんだ…
自信を失いかけたとき

新しいメンターに出会いました。
そこで学んだことは

考え方を変えて行動する
すると
周りが変わってくる

というシンプルなこと。

はじめはなかなかピンときませんでしたが
小さなチャレンジを毎日続けることで
変化が現れてきたのです。

輝く未来に向かって

まず私は、家族が気持ちよく過ごせるよう
家の掃除や断捨離を始めました。

すると、
せっせと動く私の様子を見て夫と息子たちが
自然と手伝ってくれるようになったのです。

壊れかけたソファを4人で運び出したり
新しい物を買う時はワクワクしたり

キレイになっていく部屋を見ながら
だんだん心もスッキリするのを感じました。

バッティングセンターのコインを発見し
そのまま外出したこともあります。
バットを振る息子の笑顔を見られたのも
掃除のおかげ。

家族の距離がグッと近づいた
瞬間でした。

それから夫とは会話を意識して
過ごすことにしました。

家族だから、分かるでしょ
という空気を読ませようとすること、

逆に気を使いすぎて
話せなかったりすることで

コミュニケーションが減り
それが当たり前になってしまったこを
改善したかったからです。

会話を増やしていくことで、
過去の辛かった話やこれからの未来の話など
今までできなかった深い話ができるまで
発展しました。

1番重要なことは
自分を大事にすること

自分を犠牲にしない、好きな事を
思い切り楽しもうと決めました。

過去のことはまずは置いておく
今を大事にする。

未来を焦らず
家族と一緒に
ゆっくりと考えていく

私が笑っていることで
家族も安心して過ごせます。
笑顔も増えてきました。

もし、以前の私と同じように
辛い思いをしている方がいらっしゃったら

まずは自分の考え方を変えて
新しい一歩を踏み出してみることを
おすすめします。